問い合わせが多いから一応中身を見ていくけど
言い回しを変えてるだけで他のシリーズとあんまり中身変わらんと思うで?
KØW(@kowblog_com)です。
ウルフやビースト、最近で言えばラビット
通称”動物シリーズ”を展開しているグループが
ゴリラというEAを新たにリリースしたようです。
なにやら
スキャルピング×ナンピン
の順張りロジックで
年利200%越えがウリとのこと。
本当にこの数字に近いパフォーマンスが出せるのであれば
ものすごいEAが出てきたな、と感心ものですが
動物シリーズを紹介している
アフィリエイターの売り込み記事をいくつか見てみましたが
僕にはとてもそんな優秀な雰囲気は感じなかったんですよね。
僕はゴリラEAのアフィリエイターじゃないので
その辺も忖度なしで
ある程度EAの知識がないと気づかない部分についても
解説していきたいと思います。
ゴリラ EA 検証レビュー
まず、ゴリラ EAの特徴から見ていきたいと思います。
・順張りスキャルピングEA(変則ナンピン)
・年利200%超
・コロナ相場でも安定した実績
毎度おなじみの変則ナンピンに
定番の謳い文句になりつつある
”コロナ相場でも”安定。
年利200%ってことは
月利にすると16~17%程度ってところなので
ウルフやビーストに比べれば控えめな感じですが
ナンピン自体がスキャルみたいなもんなので
スキャルピング×ナンピンが真新しいってわけでもないですし
他の動物シリーズと大差ないような印象ですかね。
というか
似たようなEAでブルドッグEAっていうのがあったような?
ブルドックEAの上位互換って感じになるんかな?
続いてゴリラ EAの稼働環境について。
これも安定感抜群のドル円とユーロドル。
推奨ロットが10万円に対して
ドル円が0.01ロット
ユーロドルが0.02ロット
だけど最低資金は3万円から可能とのこと。
10万円で0.01ロットなのに
最低資金は3万円ってどういう計算?(笑)
10万円で0.01ロットなら
最低資金は10万円じゃないか?
ボーナス込みでも足りないんですが…
この最低資金の金額って言うのは
バックテストを元に算出していると思うのですが
まさか、いきなり最大ドローダウンを食らうことはない
って甘い考えで設定してないよな?
運営がどういう考えなのかはわかりませんが
もしこういう考えを持っているのだとすれば
マジでセンスないと思いますし
EAの性能を過信しすぎです。
ウェビナーでは
”普通は10万円くらい必要だし3万円で始められるEAってあんまりない”
って言ってましたが
20段までナンピンするような今回のゴリラEAもそうですが
多段ナンピン型のEAは確かに10万円あっても足りませんが
3万以内で始められるEAなんていくらでもあります。
なんなら僕のEAで例を挙げると
凪 は2000円からトレードできますし
最近リリースした漣も3000円程度あれば始められます。
・負ければ一撃で破綻するけど爆益が狙える
・爆益にはならないけど破綻リスクは限りなく低い
どちらが良いかはユーザー次第ですが
リスクという点で見れば差は歴然ですね。
バックテストからわかるゴリラ EAの危険性
続いて、ゴリラ EAのバックテストを見ていきたいと思います。
フォワードテストの結果ももちろん大事ですが
”EAはバックテストへの投資”と言われるくらい
バックテストも非常に大事な要素となります。
で、ゴリラ EAのバックテストはこんな感じ。
今回もツッコみどころが多そうなバックテストです。
まず、最初に気になったのはテスト期間の部分。
2020年6月~2021年6月21日までとなっています。
正直、1年のバックテストなんて
控えめに言って無いよりはマシかな?といった程度で
あってもなくても一緒です。
というのも
1年間勝てるロジックなんて余裕で作れるんですよ。
しかも、ナンピンありなんてなおさらです。
長期間通用すればするほど優位性を証明できますし
それがアピールポイントにもなるわけなので
逆に言えば、短くする理由ってないですよね?
それに10年以上通用するロジックって難しいので
悪意を隠すために10年以上のバックテストを用意する人なんていません(笑)
というか10年以上のバックテストであれば
それなりのEAである可能性が高いです。
ゴリラEAは現在申請中なので
受け取ったら実際にバックテストしてみようと思いますが
バックテストの期間が1年だろうが10年だろうが
コロナ相場の期間が入っていてプラスになってさえいれば
コロナ相場でも通用してます!
って言えるわけですから
たった1年のバックテストしか用意できないのには
決して表には出せない理由があるのかもしれません。
で、次に注目したいのは
スプレッドの部分です。
スプレッドっていうのは
簡単に言えば取引手数料のようなもので
建値決済で撤退したとしてもスプレッド分の損失が出ることになります。
当然、このスプレッドは
小さければ小さいほど利益を残しやすくなります。
このスプレッド耐性が
ゴリラ EAは問題大ありの部分で
バックテストのスプレッドが2ポイントになっています。
バックテストのスプレッドは10ポイントで1pipsなので
このゴリラEAのバックテストは0.2pipsのバックテストということになります。
実際、そんな低スプレッドの環境なんてありません。
で、口座開設してFX Beyondにログインしてみると
ドル円もユーロドルもスプレッドは20ポイントちょっと。
ざっくり2pipsの差があることがわかります。
簡単に言えば
バックテストの結果よりも悪くなるってことです。
ちなみに例として
簡単にEAを作ってみました。
全く同じEAなのに
1枚目は右肩上がり、2枚目は右肩下がり。
違うのはスプレッドの数字だけです。
ゴリラEAもEAに変わりはないので
他のEAとは違うなんてことはないですし
リアル口座ではスプレッドが20ポイントなのにもかかわらず
バックテストを2ポイントで通しているゴリラEAは
一時的には稼げても最終的には
2枚目のグラフのようになる可能性が高いってことです。
であれば
10万円で0.01ロットが推奨になっていますが
実運用するにあたって10万円で足りると思いますか?
これが3万円から始められるって
なおのこと意味がわからんです。
で、もう一点気になったのが
不整合チャートエラーの多さ。
ドル円は282
ユーロドルは驚異の57万(笑)
不整合チャートエラーって簡単に言えば
”実際のローソク足とは違う部分があるよ”
ってことです。
普通、リリースするEAのバックテストは
不整合チャートエラーを0にして提示するのが当たり前ですし
57万ヶ所も違うところがあるのであれば
なんの意味もありません。
僕はこのバックテストを見て
テスト期間は短いし、スプレッドは激狭だし
不整合チャートエラーが多すぎで
どうせわからんし
バックテストさえ出しときゃOKやろ
という魂胆があるように感じてしまいました。
実際はわかりませんけどね。
あと、ついでに
成績に関係するわけじゃないんですが
ウェビナーで最大ドローダウンのことに触れていたので
補足しておこうと思います。
ウェビナーでは
ドル円の最大ドローダウンが約60%
ユーロドルは約35%ってことを言ってましたが
ぶっちゃけ、%は見る意味ないです。
というのも
この最大ドローダウンの%っていうのは
最大ドローダウンが起きたときに持っている証拠金に対してなので
普通は数字で見ます。
つまりは
ドル円は約84万円
ユーロドルは約89万円なので
リスク的には変わらないということになります。
となると
10万円に対して
ドル円は0.01ロットで
ユーロドルは0.02ロットが推奨ですが
ちょっとおかしいと思いません?
適正なロットを設定できていない可能性が高いということで
これが本当に推奨ロットが適正なのかも疑わしいところ。
まあ、その辺も含めて
自分でバックテストすればわかることなので
ゴリラEAが手元に届いたら追記します。