危険商材対策

ナンピンEAで破綻しないように管理するのはプロでもほぼ不可能な理由とは?

Aさん
Aさん
EAに任せっきりにしていたら口座残高がゼロになってしまいました…
あのとき損切できていれば…
KØW
KØW
次は適当なタイミングでちゃんと損切できるってか?
そう思うんやったらやってみたらいいけど
損小利大のメカニズムを知っとかんと同じことの繰り返しやで。

KØW(@kowblog_com)です。

多段ナンピン型のEAを無料で配布している業者が数多く存在し
完全放置だと強制ロスカットに遭うのも理解しているのか
損切やEAのON/OFFのタイミングをサポートをしているところもあります。

ただ、サポートがあるといっても
最終的な判断は運用しているあなた自身になるので
サポートを受ければリスクが排除されるのかというとそういうわけでもありませんし

基本的に負けないEAを利用していて
自分の手で損失を確定させることがいかに難しいかは
想像するだけでも何となくわかるかもしれませんが
いざ、実際にその場面に直面すると思いきった行動ができません。

この”ナンピンEAのロスカット回避”という行動は
投資初心者だから難しいということではなく
一般論の原則としてとても難しいことですし
ほぼ不可能という認識でも差支えないほどです。

そこで今回は
多段ナンピン型のEAでロスカットするまで損切ができない理由
について解説していきます。

稼働しているEAでおいしい思いしかしていない

基本的にこの手のEAは

負け=強制ロスカット

なので
ロスカットするかしないかの瀬戸際に追い詰められるまでは
負けなしで順調に利益が積み上げられてきているはずです。

そして、ある程度の期間運用していれば
死線をくぐり抜けてきた経験もあると思うので
”今回もなんとかなるだろう”とか”ここから盛り返すだろう”
という風に自分の都合の良い解釈をして損切が遅れてしまいます。

また、サポートがあったとしても
サポーターの方が損切した方が良いとアドバイスをしてくれた際に
損切して被害を最小限に抑えられることもあれば
そのまま保有してても助かるケースもありますし

雇用統計やFOMCは自動売買をOFFにすることを推奨していて
それを無視して稼働していると爆益に繋がるケースもありますし
まあ、確率的には負ける方が少ないです。

問題なのは
サポーターの言葉を無視して運用した結果
しっかりと利益が積み上がった次の機会です。

人間は絶対に損したくない生き物です。

今回は損切した方が良いかもしれないし
素直にシステムをOFFにした方が良いかもしれない。

しかし、サポーターの助言を聞いたら
機会損失という損失になるかもしれない。

しかも、稼働しているEAは未だ負けなしですし
理論的には負けないEAなので気も大きくなりがちです。

素直にサポーターの指示を受け入れられますか?
って、聞かれると即答できる人はそう多くないと思います。

こうして自分の判断でミスを犯して
強制退場していく人が後を絶ちません。

一度ナンピンで捕まったら
含み損がどんどん膨らんでいきますが
複数のポジションで構成される莫大な含み損ほど
損切の決断が難しいものはないですし

システムOFFを推奨された時点で
すでにポジションを持っていたら
結局これをどうするかは自分の判断です。

ナンピンしている方向と逆にポジションを増やして
バランスを取ったとしてもその場しのぎでしかなく
ナンピンポジが決済された後は状況が元に戻るので
問題を先送りにしただけになります。

これらの判断をミスなくこなせるのであれば
多段ナンピン型のEAを使いこなせているといえるかもしれませんが
ある程度ポジションを持ちだしたら頻繁にチェックしないといけないので
個人的には”自動売買システム使う意味ある?”とは思います。

損切ルールを決めているならまだしも
チャートとにらめっこしながら
損切するかしないかを迷っているのはストレスなので

・ロスカットも織り込み済みでお任せ運用して、ある程度利益が出たら途中で勇気を持って勝ち逃げする
・負けたら仕方がない

こういう心構えで運用するのが
一番上手くいきやすいのかな、とは思います。

複利で回してどんどん稼ぐぜ!

これはもっとも愚かな行動なので
これだけは絶対にやめましょう。

損大利小のメカニズムを知っておこう

損大利小というのは多くの投資家が頭を悩ませるところで
投資家心理そのものです。

ノーベル経済学賞を受賞した
ダニエルカーネマン氏も
人間は損をするようにできていると主張しています。

これは簡単な質問を被験者に行うことにより実証もされています。

問1

(A) 確実に5,000円もらえる
(B) それぞれ50%の確率で15,000円もらえる、何ももらえない。

問2

(A)確実に5,000円を損する。
(B)それぞれ50%の確率で損をしない、15,000円損する。

あなたならそれぞれどちらを選びますか?

・・・・・

・・・・

・・・

・・

問1については(A)を選択する人が
問2については(B)を選択する人が多いという結果が出ています。

しかしそれぞれの期待値では、

問1は

(A) 5,000 × 100% = 5,000

(B) 15,000 × 50% + 0 × 50% = 7,500

(A) < (B)

 

問2では

(A) -5,000 × 100% = -5,000

(B) -15,000 × 50% + 0 × 50% = -7,500

(A) > (B)

 

この実験が何を示しているかというと
多くの人は問1においてリスク回避的な選択(A)を
問2においてはリスク選好的な選択(B)をしたという事です。

仮に問1と問2のような事態が
それぞれ50%の確率で発生する場合
多くの人が選択した問1(A)と問2(B)の組み合わせは
長い目で見れば損をします。

5000 × 50% + ( -7500 × 50% ) = -1250

上記の通り
期待値がマイナスになるからです。

ちなみに合理的な選択肢
問1(B)と問2(A)を選んだ場合の期待値は

7500 × 50% + ( -5000 × 50% ) = 1250

になります。

結論として
利益が出る局面でそれが小さくなっていく”恐怖”と
損失が出る局面で戻れば利益が出るかもという”欲望”が
”損大利小のメカニズム”であるということです。

これを克服するのは並大抵の努力ではできませんが
厳格なルールに基づいて機械的にトレードをしてくれる
EAによる自動売買が一つの選択肢としてあります。

ですが
多段ナンピン型のシステムで
ロスカットの回避を手動で行うのであれば
それはただの”自動エントリーシステム”であり
EAのメリットを活かせていないことに他なりません。

あなたは人間を辞められますか?

僕は無理なので
安心して任せられるシステムを自分で作ることにしました。

最後に

ナンピンEAをハイリスクで運用していれば
口座残高が短期間で2倍とか3倍になるのは
割と普通にあり得る話です。

しかし、運用しているロットが
破綻前提のリスク度外視ロットだったり
直近の相場に合わせているだけであれば
いつかは必ず破綻してしまいます。

10年以上のバックテストがあれば
リーマンショック期間を含んだものなので
何も無いよりは安心できますが

ほとんどの業者は短期間のバックテストしか提示しなかったり
ひどいところはバックテストは無価値だと言うところもあります。

ほぼランダムウォークである為替相場のエッジを見つけるには
ある程度の期間の相場や統計的に十分なトレード数で検証した
バックテストの評価しかないので

長期間のバックテストを拒んだり
バックテストは無価値だと言い張る業者のEAは

”相場に対して優位性のあるロジックではない”

と、自ら主張しているようなもので

”根拠の無い適当なところでエントリーしている”

ということを裏付けるのと同意ですし
これはEA開発者というより
トレーダーから見てもロジックですらありません。

適当にエントリーしても連勝しまくるけど
たった一度負けたら終わりなので、監視する必要がある

根拠に基づきながらのトレードして
普通に負けるし不調期もあるけど
長期的に見ればほぼほったらかしでプラスになっている

前者は特性的にポートフォリオの概念が存在しませんが
後者はポートフォリオを組むことでお互いに補い合うことで
損失を軽減できたり、利益を伸ばしたりすることもできます。

ポートフォリオの組み方にもよりますが
それこそ月単位でマイナスを無くすことも不可能ではありません。

もし、どちらかしか使えないとなれば
どっちのEAを使いたいですか?

FXはほとんどの人が負けているので
大金を稼げば勝ちではなくて
トータルでプラスにすれば勝ちです。

参考になれば幸いです^^

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